【必見】コーキングの役割から工法までわかる！外壁防水の基礎知識と失敗しない見積りチェックポイント

はじめに

建物の防水というと屋根に目が行きがちですが、実は外壁の防水性も建物を守るためには極めて重要です。特に風雨や紫外線の影響を日常的に受ける壁は、防水性能の低下が雨漏りや建物の劣化につながる恐れがあります。

今回は、「壁における防水の考え方」を中心に、外壁の種類、コーキングの役割、工事の際の注意点などを詳しく解説していきます。

外壁の種類と主流の変化

かつての外壁といえば「モルタル壁」が主流でした。これは左官職人がセメントに砂を混ぜたモルタルを現場でコテ塗りする伝統的な方法です。仕上がりに味が出る反面、施工に手間と時間がかかり、天候の影響を受けやすいという課題がありました。

近年は、工場であらかじめ成形された「サイディングボード」を用いた外壁が主流となっています。これは現場で貼り付けるだけなので、施工性が高く、防水・断熱の性能も安定しています。

サイディングボードの種類と特徴

サイディングボードにはいくつかの種類があり、それぞれ特徴が異なります。

種類	特徴	利用シーン
窯業系サイディング	セメントと繊維質でできた標準的なボード。デザイン・色の選択肢が多い。	戸建住宅で最も一般的
金属系サイディング	ガルバリウム鋼板やアルミなどで軽量。断熱性が高く、リフォームに適す。	既存壁への増し張り
樹脂系サイディング	塩ビ樹脂素材。耐候性・メンテナンス性に優れるが日本では少数派。	雨風の強い地域向け

コーキングとは？壁の防水に不可欠な存在

サイディングはボードを並べて張る工法のため、継ぎ目（目地）に隙間が生じます。この隙間から水が浸入しないようにするのが「コーキング（シーリング）」の役割です。

コーキングはゴム状の弾性を持った材料で、ボードの伸縮や振動に追従しながら水の侵入を防止します。縦張りの場合、90cm幅ごとに目地ができるため、住宅全体で数百メートル分のコーキングが使用されることもあります。

コーキングの交換方法と仕組み

外壁のコーキングは5〜10年程度で劣化し、硬化・ひび割れ・剥離などが発生します。そのため、外壁塗装やリフォームの際には「コーキング打ち替え」が推奨されます。

コーキングの基本構造

• ハットジョイナー（金属下地）：ボードを支える金属の溝
• ボンドブレーカー（青いテープ）：奥面に貼ることで三面接着を防止
• 二面接着：左右のボードにだけ接着し、伸縮性を保つ構造

コーキング交換の流れ

1. 古いコーキングをカッターで切り取る
2. プライマー（接着剤）を塗布
3. 新しいコーキング材を充填
4. ヘラでならして仕上げ

見積もりで確認すべき防水工事のポイント

コーキングは建物の防水性を左右する重要部分であるにもかかわらず、塗装工事の見積書に明記されていないケースも少なくありません。業者によっては、打ち替えをせずに劣化部分だけを部分補修し、そのまま塗装してしまうこともあります。

これでは、すぐにまた劣化し再び工事が必要になるため、費用が無駄になりかねません。

✅見積書のチェックポイント

• 「コーキング打ち替え」や「シーリング工事」として明記されているか
• 使用するコーキング材の種類や耐久年数が明記されているか
• 単価×メートル数で計算されているか（例：800円/m × 300m）

現場で使われる防水部材の構造図解（イメージ）

部材名	役割	補足
コーキング	目地の防水と伸縮吸収	耐用年数に注意
ハットジョイナー	サイディングの下地となる金属製部材	水の抜け道も兼ねる
ボンドブレーカー	コーキングの三面接着防止	二面接着にして伸縮性を保つ
プライマー	コーキングの接着性向上剤	塗り忘れると剥がれやすくなる

まとめ

外壁における防水は、建物の寿命を左右する非常に重要な要素です。特にサイディングの目地に使われるコーキング材の劣化は、雨漏りや外壁の剥離など大きなトラブルにつながる可能性があります。

外壁リフォームを行う際には、「コーキング打ち替え」が正しく施工されているか・見積書に記載されているかを必ず確認しましょう。数万円の手抜き工事が、数年後に数十万円の損失になることも珍しくありません。

防水処理は建物の健康を守る“基礎体力”。この記事を参考に、ぜひご自身の家の防水状態をチェックしてみてください。

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