【防水のプロが教える！第3弾！】固める防水の仕組み・費用・メリットを徹底解説

はじめに

防水工事3部作シリーズ第3弾として「固める防水」についてご紹介します。

防水にはいくつかの方法がありますが、現場の条件に最適な方法を選ばないと、後々のトラブルや費用負担が大きくなることもあります。この記事では、固める防水の特徴・適した場所・施工方法・コスト面の注意点まで詳しく解説していきます。

FRP＝強化プラスチック防水

「FRP」とは「Fiber Reinforced Plastic（繊維強化プラスチック）」の略称で、その名の通りガラス繊維と樹脂を組み合わせて固めた防水層です。施工ではまずガラス繊維（マット）を敷き詰め、その上から液状の樹脂を塗り重ねて硬化させていきます。これによって非常に硬く、割れにくいプラスチック状の防水層が形成されます。

この構造は、自動車の外装パーツや浴槽、船舶など、耐水性と剛性が求められる構造物にも使われており、割れない限り水を通しません。つまり、お風呂の浴槽のような形で水を完全に受け止めるイメージに近い防水工法です。

FRP防水が向いている場所とは？

FRP防水は非常に硬く耐久性が高いため、歩行頻度の高い場所や小面積の防水に特に適しています。たとえば、以下のような場所に向いています。

• 一戸建てのバルコニー
• 屋上の小規模スペース
• 浴室の床や設備周辺
• ベランダの床

一方で、広い面積にはやや不向きです。建物は常にわずかな振動やひずみが発生しており、FRPのような硬化素材は広い面になるとひび割れのリスクが増すためです。そのため、大面積の屋上などでは貼る防水（塩ビシートやアスファルト防水）などの柔軟性がある工法の方が向いている場合もあります。

密着工法と通気工法の違い

FRP防水には2つの代表的な施工方法があります。

1. 密着工法
下地に直接FRPを貼り付けて固める方法です。シンプルでコストも抑えられますが、下地に湿気があると膨れや剥がれの原因になることも。

2. 通気緩衝工法（絶縁工法）
下地とFRP層の間に通気層を設ける方法です。これにより、下地からの湿気や蒸気を逃がしつつ、表面の膨れや割れを防ぐことができます。バルコニーの下に部屋がある構造などでは、この通気工法が推奨されます。

費用面では通気工法のほうがやや高くなりますが、将来的なリスク回避という意味でコストパフォーマンスは高い選択肢です。

FRP防水のメリットとデメリット比較表

項目	FRP防水（密着）	FRP防水（通気）
耐久性	高い	非常に高い
施工費用	比較的安価	やや高価
適した場所	小規模ベランダ等	下階に部屋がある場所等
湿気への対応	弱い	強い（通気層あり）
施工日数	1〜2日程度	2〜3日程度
見た目の仕上がり	フラットで美しい	フラットで美しい

※施工規模・業者によって日数や価格は異なります。

防水工事の費用と保証の考え方

FRP防水は、施工精度が高く仕上がれば長寿命の防水層になりますが、施工コストはやや高めです。一般的にベランダやバルコニーであれば5〜10年程度、屋上であれば10年程度の保証が付くことが多いです。

「安さ重視で簡単に済ませたい」というニーズもありますが、防水は雨漏りリスクや建物の劣化に直結するため、費用だけで判断するのは危険です。耐久性や保証内容、信頼できる施工業者かどうかを総合的に判断しましょう。

塗装屋さんと防水屋さんの違いに注意！

意外と知られていない落とし穴として、「塗装屋さんに頼めば防水もやってくれるだろう」という誤解があります。しかし、塗装と防水は別物です。

• 塗装屋＝外壁や屋根などに塗装をする専門業者
• 防水屋＝ベランダや屋上の床面に防水層を形成する専門業者

FRP防水のような特殊な工法は、防水専門の知識と技術が必要です。業者選びの際には「防水も含めて対応可能か？」「どんな工法で施工するか？」といった点を事前にしっかり確認しましょう。

まとめ：固める防水＝FRPは最強だが用途は慎重に選ぼう

FRP防水は非常に高い防水性能と耐久性を誇りますが、すべての場所に適しているわけではありません。特に大面積の屋上などには別の工法が向いていることもあり、現場ごとの判断が必要です。

見た目もスッキリ、美観性も高く、住宅のバルコニーなどには最適な選択肢となるFRP防水。しかし、きちんとした施工、正しい材料、そして信頼できる業者が揃ってこそ、その効果を最大限に発揮できます。

防水に関する疑問やご相談がある方は、ぜひ「住まいのやまおか君」ショールームまでお越しください。防水サンプルや施工事例もご覧いただけます。お客様の大切な住まいを守る、最適なご提案をいたします。

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