【防水のプロが教える！第1弾】塗膜防水の種類・工法・コストを完全解説

はじめに

「うちはまだ雨漏りしていないから大丈夫」そう思っていませんか？

実は雨漏りの多くは、“じわじわと進行する”見えない場所から始まっています。その原因のひとつが、ベランダや屋上などに使われる防水層の劣化です。とくに塗膜防水（とまくぼうすい）は、一般住宅にも広く使われているため、定期的な点検と知識が不可欠です。

この記事では、防水の種類や塗膜防水の特徴、工法の違いなどをわかりやすく解説します。

塗膜防水とは？

塗膜防水とは、液状の防水材を塗って、防水層を形成する工法です。乾くとゴム状またはプラスチック状になり、雨水を遮断する役割を果たします。

主に使われるのは次のような場所です：

マンションやビルの屋上（陸屋根）
一般住宅のベランダやバルコニー
ルーフバルコニー

特にベランダなどは雨にさらされる頻度が高く、防水が切れるとすぐに構造内部への浸水リスクが高まります。

一般住宅に使われる防水箇所とは？

「防水＝屋根」というイメージを持つ方も多いですが、一般住宅で最も注意すべきはベランダやバルコニーです。

理由は以下の通りです：

雨が直接当たりやすい
排水が悪くなると水が溜まりやすい
人が歩くなど摩耗のリスクが高い

こうした箇所に使われるのが「塗膜防水」であり、耐久性や施工方法によって寿命も大きく異なります。

防水の3つの種類

防水にはいくつかの種類がありますが、代表的なのは以下の3つです。

種類	特徴	例
塗膜防水	液体を塗り、乾燥させて防水層を形成。柔軟性があり、形状に馴染みやすい。	ウレタン防水、ポリマー防水
貼る防水	防水シート（塩ビシート・ゴムシートなど）を下地に貼り付ける方式。	ゴムシート防水、アスファルト防水
固める防水	樹脂とガラス繊維クロスなどを使って硬化させる強靭な防水層。	FRP防水（浴槽や船底など）

中でも塗膜防水は施工が比較的しやすく、ベランダなどの小規模施工にも適しているため、個人住宅で広く用いられています。

密着工法と絶縁工法の違い

塗膜防水には、「密着工法」と「絶縁工法（通気工法）」の2種類があります。施工目的や現場の状況により、適した工法を選ぶ必要があります。

密着工法とは？

防水材（主にウレタンなど）を直接下地に塗る工法。
簡易的に施工できる。
コストは安価だが、下地の影響を受けやすく、劣化が早い場合もある。
屋外ベランダや簡易な補修に向いている。

絶縁工法（通気工法）とは？

下地と防水層の間に通気シートや通気口（脱気筒）を設ける工法。
湿気を逃がし、剥がれや膨れを防止。
特に下に部屋がある構造や、広い面積の施工に適している。
施工費用は高めだが、耐久性が高くトラブルが少ない。

5. 防水工法の比較表

工法	特徴	向いている場所	耐久性	コスト
密着工法	直接下地に塗布。簡易施工が可能。	ベランダ、小規模補修	△	◎（安価）
絶縁工法	通気層を作り、湿気や剥がれを防止。	屋上、広いバルコニー	◎	△（高め）
FRP防水	硬化タイプで高強度。防水層が一体化する。	浴槽、ベランダ、船舶など	◎	○
貼る防水	シートを貼る方式。下地の影響を受けにくい。	屋上、倉庫、工場など	○	○

※ 耐久性やコストは一般的な目安であり、施工環境によって異なります。

まとめ：防水は“劣化する前”が勝負！

塗膜防水は、見た目では劣化がわかりにくい場合も多く、気づいた時にはすでに内部まで水が侵入していることもあります。

雨漏りは起きてからの修理より、起きる前の予防が重要です。
定期的な点検と、正しい知識を持った施工業者の選定が、あなたの大切な家を守る第一歩になります。

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