【保存版】プロが教える！モルタル・サイディング・ALCの壁材比較！特徴・コスト・耐久性を一発で理解

現場で作られる壁・工場で作られる壁

建築物における「壁」は、単なる仕切りではなく、建物の構造的な強度、耐候性、断熱性、美観といった重要な役割を担っています。今日のテーマは、その壁の中でも「現場で作られる壁」と「工場で作られる壁」の違いについてです。現代建築ではこの二つの壁が使い分けられており、それぞれに特徴と利点・課題があります。

現場で作られる壁

モルタル壁

まずは、現場で作る壁の代表例「モルタル壁」についてです。モルタル壁は、左官職人が現場で手作業により施工する壁です。ラス（金網などの下地材）の上からモルタルを塗りつけることで、壁面を作り上げていきます。

この作業は、熟練の技術が必要です。モルタルを均一に塗布し、つなぎ目のない滑らかな面を作るには高度な技術と時間が求められます。その結果、美しく重厚感のある外観が得られます。

モルタルの特徴と課題

モルタル壁はデザイン性に優れており、つなぎ目のないシームレスな外壁が魅力です。一方で、天候の影響を受けやすく、雨天時には作業がストップします。したがって、工期の調整が難しいという課題があります。また、乾燥や施工精度によっては、ひび割れが生じるリスクもあります。

工場で作られる壁

サイディング壁の種類

工場で作られる壁の中でも特に一般的なのが「サイディング壁」です。これは工場で成形されたパネルを現場で張り付けていく方法です。工期の短縮、施工の安定性、コストの抑制など、多くのメリットがあります。

サイディングには主に以下の3種類があります：

• 窯業系サイディング：セメントに繊維材料を混ぜて成形したもの。デザインやカラーバリエーションが豊富。
• 金属系サイディング：アルミやガルバリウム鋼板などを使用。軽量で断熱性に優れる。
• 樹脂系サイディング：塩ビ樹脂を用いたもので、耐候性やメンテナンス性が高い。

と色々種類があるんですが、一般的に使われる窯業系サイディングはこういったものですね。厚みも色々、デザインも色々あります。

ALCパネルについて

もう一つの代表的な工場製壁材が「ALCパネル」です。ALC（Autoclaved Lightweight Concrete）は、軽量気泡コンクリートとも呼ばれ、ヘーベルハウスなどで採用されています。内部に無数の気泡を持ち、断熱性や防音性に優れています。

鉄骨造の建物でよく使用され、構造体に直接取り付ける形で施工されます。ALCはコンクリートと比べて軽量でありながらも高い強度を持つため、大型建築物や集合住宅でよく使われています。

モルタル・セメント・コンクリートの違い

壁材の話において、よく混同されやすいのが「モルタル」「セメント」「コンクリート」の違いです。以下に簡潔に整理します。

名称	構成要素	特徴	用途
セメント	接着剤となる粉末（単体では脆い）	固まると硬化	モルタル・コンクリートの材料
モルタル	セメント＋砂＋水	左官仕上げが可能	モルタル壁、目地埋めなど
コンクリート	セメント＋砂＋水＋砂利（骨材）	非常に強度が高いが重い	建物の基礎・構造体

モルタルは主に仕上げ材、コンクリートは構造材として使われます。セメントはあくまでそれらの材料の“接着剤”としての役割を持ちます。

現場施工と工場製造の比較表

以下に、現場で作る壁と工場で作る壁の主な違いを表にまとめます。

項目	現場で作る壁（例：モルタル）	工場で作る壁（例：サイディング、ALC）
施工場所	建設現場	工場（製造）→現場（設置）
施工期間	長い	短い
天候の影響	大きい	小さい
デザイン性	高い（手仕事）	標準化されているが種類は豊富
技術の必要性	高い（職人の技術が重要）	比較的低い（誰でも施工可能）
コスト	高め	抑えやすい
メンテナンス性	定期的な補修が必要	種類により耐久性が高い

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まとめ

建築において壁は見た目だけでなく、性能や施工性にも大きな影響を与える重要な要素です。伝統的なモルタル壁は手仕事ならではの魅力がありますが、工期や天候のリスクが伴います。一方で、工場で生産されるサイディングやALCパネルは、安定した品質と効率性を実現しています。

現場ごとのニーズや設計方針、コスト、メンテナンスの考慮などにより、最適な壁材の選定が重要になります。壁というひとつの要素にも、これだけ多様な背景と工夫があることを知っていただけたのではないでしょうか。

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