【よくある質問】ハウスメーカーで建てた家は塗り替えも指定？保証は？プロが教える本当の答え

はじめに

「ハウスメーカーで建てた家だと、塗り替えもそのハウスメーカーでやらないといけないのでしょうか？」
これは外壁塗装や屋根塗装を検討される方から、本当によくいただく質問です。

実際のところどうなのか？塗装のプロが詳しく解説していきます。

ハウスメーカー独自塗料とは

結論から言うと、ハウスメーカーで建てた家でも、塗り替えをハウスメーカーに依頼する必要はありません。
ハウスメーカーで建てたからといって、塗装工事まで縛られることは基本的にないのです。

この誤解が生まれる理由の一つに、「ハウスメーカー独自の塗料」があります。
某大手ハウスメーカーでは、自社名が入ったオリジナル塗料のカタログを用意していることがあります。一見すると「ここでしか使えない特別な塗料」に見えますが、実は中身をよく見ると、エスケー化研や関西ペイントといった国内大手塗料メーカーが製造している塗料であるケースがほとんどです。

つまり、名前やカタログはハウスメーカー仕様でも、塗料自体は一般の塗装業者でも正規ルートで仕入れができるものなのです。
実際、私たちのような塗装専門店でも、各塗料メーカーの施工業者登録を行い、多くのハウスメーカー住宅の塗り替え工事を手がけています。

ハウスメーカーの本当の仕事とは何か

ハウスメーカーの本業は、家を建てることです。
オリジナルの構造部材を開発したり、独自の建て方や工法を確立したりして、「この仕組みで、この性能の家を建てる」という部分に強みがあります。

一方で、塗装工事は新築ではなくメンテナンス工事に分類されます。
防水や保護を目的とした、いわば「家を長持ちさせるための整備」です。

これを分かりやすく例えるなら、車と同じです。
トヨタ自動車が作った車でも、タイヤはトヨタ製ではありません。ダンロップやブリヂストンといった専門メーカーの製品を使っています。
住宅も同様で、最後に仕上げとして塗る塗料を、ハウスメーカー自身が開発・製造しているわけではないのです。

そして実際に塗る作業を行うのは、塗装の専門業者です。
ハウスメーカーに依頼した場合でも、現場で塗っているのは下請けの塗装業者であることがほとんどです。

住まいのやまおか君ではこれまで、ダイワハウス、積水ハウス、住友林業など、大手ハウスメーカーの下請け工事も数多く経験してきました。
どんな仕様で、どんな工程で、どんな指示が出るのかを実体験として把握しています。

ハウスメーカーの塗り替えは、なぜ高くなりやすいのか

「やっぱりハウスメーカーの方が安心だから…」
そう思われる方も多いですが、どうしても費用は高くなりがちです。

理由は単純で、ハウスメーカー → 下請け業者 → 職人、という構造になっているため、中間マージンが発生するからです。
品質が極端に良くなるわけではなく、同じ塗料・同じ職人が施工していても、金額だけが高くなるケースも珍しくありません。

だからこそ、一度ハウスメーカーの見積もりを取り、それを塗装専門店の見積もりと比較してみることをおすすめしています。
比較したうえで納得して選ぶことが、後悔しない塗り替えにつながります。

他社で塗り替えると保証が切れるって本当？

もう一つ非常によく聞かれるのが、保証に関する不安です。

「他の業者で塗り替えすると、ハウスメーカーの保証が全部切れますよと言われたんですが、本当ですか？」

この場合、ぜひ一度こう聞いてみてください。
「その保証って、具体的に何の保証ですか？」

建物を建てた以上、構造体に対する保証はあります。
外壁を塗り替えたからといって、建物の構造計算が狂うわけでも、耐震性能が失われるわけでもありません。
仮に地震で家が倒壊したとして、「塗り替えを他社でしたから知りません」という話にはならないのです。

実際に影響が出るのは、過去にハウスメーカーが施工した塗装部分の保証だけです。
自社で塗った部分については保証するけれど、その上に他社が別の塗料を塗った場合、そこまでは責任を持てません、というだけの話です。
これは冷静に考えれば、ごく当たり前のことですよね。

塗装工事の保証は「誰が守ってくれるか」が重要

塗装工事には、施工後の保証が付くのが一般的です。
ただし、その中身は業者によって大きく異なります。

よくあるのが「施工店保証」です。
これは、その塗装店が「何かあったら直しますよ」と約束する保証ですが、もしその会社が倒産してしまったら、保証は事実上なくなってしまいます。

そこで重要になるのが、第三者が関わる保証制度です。

以下は、代表的な保証の違いをまとめた表です。

保証の種類	保証する主体	特徴	注意点
施工店保証	塗装業者	手続きがシンプル	会社がなくなると保証も消える
ハウスメーカー保証	ハウスメーカー	ブランド力がある	費用が高くなりやすい
国交省認可の保証制度	公的に認められた第三者	万が一でも別会社が対応	加入している業者が限られる
瑕疵保険	保険会社	客観的で安心感が高い	適用条件を要確認