【足場工事のトラブルを防ぐ】怖い足場職人が来る会社・来ない会社の見極め方

はじめに

外壁塗装や屋根工事の現場で見かける「足場職人」。高所で作業する姿は頼もしく見える一方、「怖そう」「怒鳴り声がする」など、少し近づきがたい印象を持つ方も少なくありません。実際に、近所で足場を組んでいた職人さんが怖かったという声も多く聞かれます。しかし、その背景には「昔ながらの職人気質」や「現場の文化」、そして「会社の管理体制」が深く関わっているのです。今回は、そんな“足場職人が怖い”という印象の裏側にある現実と、トラブルを防ぐための業者選びのポイントについてお話しします。

足場職人＝怖い？その印象のルーツ

昔の建設業界では、いわゆる「鳶職（とびしょく）」と呼ばれる職人たちが足場を担当していました。彼らは高所作業のプロであり、命綱ひとつで危険な仕事をこなす“男気の世界”でした。当時は「ニッカポッカ」というダボッとしたズボンに派手な服装、金髪やピアスといったスタイルの人も多く、「いかつい」「怖い」といった印象を持たれるのも無理はありません。

しかし現在では、時代とともに安全意識が高まり、足場も「システム足場」と呼ばれる組み立て式が主流に。それに伴い、職人のイメージも少しずつ変化してきています。とはいえ、現場によってはまだ昔ながらの“ヤンチャ系職人”が存在しているのも事実です。

問題は「見た目」より「会社の管理体制」

足場職人の印象が悪い現場には、共通する特徴があります。それは「会社が職人を管理できていない」ことです。多くの業者では、営業担当者が感じよく話を進めても、実際に現場へ来る職人がまったく別の人間というケースがあります。営業は丁寧なのに、現場の人が乱暴だった——。そんなギャップがトラブルを生むのです。

信頼できる会社は、職人を直接確認し、現場の雰囲気を整える体制を持っています。たとえば「住まいのやまおか君」では営業担当だけでなく、職人本人を面接して「この人たちなら安心して任せられるか」を判断しています。

足場で起こりやすいトラブルとは？

足場工事は重たい鉄パイプを扱うため、ミスが起きると大きな被害につながることがあります。以下のようなトラブルは、決して珍しくありません。

主なトラブル例	内容	対応のポイント
植木や鉢を壊した	鉄パイプを運ぶ際に接触	現場ですぐ報告・写真を残す
車やフェンスを傷つけた	鉄材や工具の落下	お客様へすぐに説明・修繕対応
近隣とのトラブル	作業中の大声・態度	挨拶と礼儀教育の徹底
片付け忘れ	資材やゴミの放置	最後の点検を必ず実施

こうしたトラブルの原因は、「報告の遅れ」にあります。小さな破損であっても、お客様が先に気づくと信頼を損ねてしまいます。逆に、職人の方から「すみません、壊してしまいました。すぐに対応します」と先に報告すれば、誠実な印象を残すことができます。

「怒らない文化」がトラブルを防ぐ

現場では、若い職人がミスをすると、親方が怒鳴るという光景がいまだにあります。しかし、これが最も危険です。怒られた職人は「次から隠そう」としてしまうからです。「バレなければいい」「俺のせいじゃないかもしれない」——そんな気持ちが積み重なり、重大な事故につながることもあります。

そこで足場工事を依頼する塗装会社として重要となるのが、「報告したら怒らない」文化をつくることです。報告してくれたら「ありがとう、気をつけてな」と声をかける。これだけで現場の雰囲気は大きく変わります。会社としても、「報告を上げた職人を評価する」体制を整えることで、結果的に安全で信頼される仕事につながります。このような取り組みをしている業者が、信頼できる業者と言えます。

一般の方ができる「安心業者の見分け方」

実際に工事を依頼するお客様からすれば、「どんな足場職人が来るのか」までは見えにくい部分です。しかし、次のポイントをチェックすることで、ある程度の判断ができます。

会社が職人を自社管理しているか
　→ 外注ばかりの会社は品質にバラつきが出やすい。
職人の顔が見えるか
　→ ホームページでスタッフ紹介や施工写真がある会社は安心。
現場マナーや教育について説明があるか
　→ 「礼儀」「近隣対応」「報告体制」を明確にしているか確認。
複数の足場業者を使い分けているか
　→ 信頼できる会社は、現場に応じて“班”を選び、品質をコントロールしている。

住まいを守るために──業者選びは「人」で決まる

足場の組み方や材料よりも大切なのは、「誰が組むか」です。誠実で安全意識の高い職人がいる現場は、近隣から見ても安心できます。また、会社としても「報告・教育・管理」を徹底しているところほど、お客様からの信頼も厚く、リピートにつながっています。

つまり、屋根・外壁塗装工事を依頼する際には、「価格」だけで選ばないことが大切です。安い業者の中には、職人教育やマナー指導を省いているケースもあります。一見お得でも、後でトラブル対応に追われてしまうこともあるのです。

怖そうな職人を見たらどうする？

最初の話に戻ります。もし、現場で「怖そうな職人さん」に出会ったら、どうすればいいでしょうか？答えは簡単です。「関わらずに距離を取ること」。何かあれば、直接本人に言うのではなく、必ず会社や現場監督を通じて伝えましょう。信頼できる会社であれば、すぐに対応してくれます。逆に、そうした対応が雑な業者であれば、早めに見切りをつけることも重要です。