2014.10.21

プロが教える外壁塗装基礎知識~知っていて損はない、家の劣化<外壁編>

「家」というものを「屋根」と「外壁」に分けて、構造と劣化について見ていきましょう。

今回は「外壁」について。

外壁は数種類ありますが、木造住宅で一般的なものは以下の2種類です。

  1. モルタル壁  
  2. サイディング壁

モルタル壁とサイディング壁の構造はこんな感じです。

左側が「モルタル壁」、右側が「サイディング壁」です。

モルタル壁

左官職人が現地でモルタルを塗りつけて作り上げる壁のこと。

写真はモルタル壁を塗りつけているところです。

サイディング壁

・工場で作られた板(サイディングボード)を張り合わせて作る壁。板と板の間の目地には、コーキング材(またはシーリング)と呼ばれる建築資材を充填し、張り合わせて作る。

写真はサイディングボードの隙間にをコーキング材を充てんしているところです。

劣化の特徴

1.モルタル壁

・ひびが出来て劣化する。

⇒形状で劣化具合が異なる

・縦のひび…横幅が短ければ、雨水が入る範囲が狭いので、比較的水の侵入が少ない

・横のひび…横幅が長いので、雨水が入る範囲が大きくなるため、水の侵入が多いと考えられる

⇒ひびの割れ幅で劣化具合が異なる

・ヘアクラック…幅0.5㎜未満のひび。目安はシャーペンの芯が入らないこと。この程度であれば雨水の侵入は比較的少ない。

・クラック…幅0.5㎜以上。目安はシャーペンの芯がすっと入ってしまう。このくらいになると、雨水が確実に侵入している。

2.サイディング壁

・板と板の間のコーキング材の劣化が起こる。

⇒コーキング材には、可塑剤が含まれており、その可塑剤は紫外線に弱い。(イメージは輪ゴムがプツンと切れてしまう感じです)コーキングが劣化すると、そこから雨水などが侵入します。

・チョーキング現象が起こる。

⇒チョーキングとは、壁に触れたときに白い粉状のものが手につく状態のこと。塗装表面が紫外線などにより劣化して、塗料の顔料がチョークのような粉になってあらわれる現象。

チョーキング現象が起きていると壁の塗装の防水性が失われ、壁に雨水などが染み込みやすくなっています。

このような、ひび・コーキング劣化・チョーキング現象などが外壁に見られると、雨水などの水の侵入の可能性が大いに考えられます。

⇒水が侵入すると、家はどうなるのか?

・壁や柱などの木が腐る。

・鉄骨を使っている場合は、金属がさびる。

・カビ・ダニなどのハウスダストが発生する。

といったことが起きてきます。

特に最近の内壁に使われるクロスは、「カビが生えにくい」「抗菌」「防汚」「剥がれにくい」など

機能が向上して、壁の状態が悪化していることに気が付きにくいのです。

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